損切りを考えよう!

2016/12/24

投資

 


株を始めた人がやりがちなパターンとして、高騰している話題株に手を出して大きな含み損を抱えてしまうというパターンがあります。そんな時に役立つ「損切り」という手法を、ポケモンGOブーム時の任天堂を例にして解説していきます。

ポケモンGOブーム自体については解説しないので、ご存じない方はこちらの記事などをご覧ください。

任天堂株ストップ安…過度な期待消え ー 毎日新聞



今回は、ポケモンGOブーム絶頂時の任天堂株(31,770円)で買ってしまった
場合を例にして、「損切り」について解説していきます。

まず、「損切り」について簡潔に言えば、

「購入した株が購入価格より下がってしまった場合に、今より下がる前に株を売却する」

ということです。
例えば今回の場合は、1株31,770円で買ってしまったわけですから、4営業日後の終値23,220円の時には、1株-8,550円の含み損が出ているわけです。さらにその株価より下がる前に売るのが「損切り」ですが、「言うは易く行うは難し」の典型例で、多くの投資初心者の方がこの「損切り」に失敗して「損確」をして大損をしてしまっています。
その原因はほぼ間違いなく、「損切りに対する考え方」の誤認です。
初心者に限らず多くの方が、

「この後この株がどのくらいまで下がるか」

という価格面で、損切りの判断を行っていますが、正しくは

「この後この株が下がったとしていつ現在の株価まで戻るか」

という時間軸で損切りの判断を行うべきです。文章では分かりにくいので図解を使って説明しますと、


上の線が早めに損切りした場合で、下の線が遅く損切りした場合です。
どちらも損切りした時点の株価までほぼ戻ってはいますが、下は数日で株価が戻っているのに対し、上は戻るのに数ヶ月かかっています。上の線の時点で損切りしたとすれば、下がってから買うことも出来ますし株価が戻るまでの数ヶ月の間に別の銘柄を買って収益を上げてそれで増えた資金でナンピン買いすることも出来ます。

人間の感情的には下の線の場合の方が、損失が多く膨らんでいるため損切りという逃避に走りがちです。しかし、株価が戻るまでの時間で考えると損が膨らめば膨らむほど、損切りすべきではありません。損切りを判断する場合は損切りしなかった場合にどのくらい資金が拘束されるかで考えましょう。

ただし、株を始めたてあるいはその銘柄を買いたての時は、その株が下がってからいつ株価が戻るのかを正確に判断するのは難しいので、いっそ損切り自体を封印するという手もあります。

【執筆:T.I.】