GPIFの運用益が過去最高を更新し10.5兆円の黒字

2017/03/04

投資

 


GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)含め、年金などの機関投資家は投資をする上で非常に参考になるのですが、日本だとあんまり評価高くないですね。
だいたい、旧社会保険庁の「消えた年金問題」のせいな気もしますが、そもそも年金が保険の支払い方法の一種でしかないことすら、認知率が低い気がするので、啓蒙の問題かもしれませんね。

話を戻して、何が参考になるかと言うと、「ポートフォリオ運用」をしていることです。
「ポートフォリオ運用」とは簡潔に言えば、

”割合を定めて株式や債権などに分けて投資すること”

です。
いわゆる「分散投資」と違う点は割合を定める部分で、割合を定め、あるいは操作することによって、運用目的に合わせた資産設計を行うことが出来ます。


 GPIF-基本ポートフォリオ http://www.gpif.go.jp/gpif/portfolio.html


参考としてGPIFのポートフォリオを見てみると、まず、債権と株式の組み合わせであることが分かります。債権と株式を組み合わせるのはポートフォリオではよくある話です。
株と債権には負の相関(片方が上がると片方が下がる)があるので、総資産額を維持するために使われます。債券価格が上がっていれば売って負の相関で安くなっている株を買う……といった感じですね。

次に目につくのが、国内(つまり日本)と外国(それ以外の国)で分けている点です。
これは、日本の将来が暗いから仕方なく……というわけではなく、通貨の高安による総資産額の変動を抑えるためです。

実は日本の株と債権だけを買っていても為替の変動を受けます

何故ならば、日本の市場には多くの海外投資家がおり、当然ながら為替を利用しているためです。国内投資家は当然ながら円のまま投資出来ますので、海外の一方的な事情を受けやすくなるのです。

また、世界的な株高で買える株が無い~といった時でも、為替を利用して一方を高く売って一方を安く買う…といったことも出来ます。


ポートフォリオ運用の基本は、「高くなっている分野を売り、安くなっている分野を買う」
ということです。高くなっているか安くなっているかの基準のために割合を設定します。

世界中で組合年金や保険会社が存在していることから分かるように、「ポートフォリオ運用」は語られない必勝法です。
資金が多めに必要なことを除けば個人でも十分に可能な運用法なので、中長期投資を志向する方は特に参考にするべきでしょう。


【執筆:T.I.】