エンジンの無い時代、G0世界の到来

2017/03/11

雑記

 


もはやG2時代なんていう中国の妄言が懐かしく思えるほど、世界情勢は元気が無くなってしまいましたね。
もう世界の何処を見ても国内問題で手一杯で、威勢のいい声は聞こえてきません。大規模戦争に至ってないだけマシにすら見えます。

トランプ政権の大規模インフラ投資やイギリス政府のEU離脱後の景気対策投資が、その原動力になるとの声もありますが、ここ数年来でずっと世界の国々に財政拡大を主張し、自身も拡大してきた日本からしたら、むしろ遅きに失しているとしかコメントのしようがありません。
かえって、ドイツなどの反トランプ国が意固地になって、意味のない財政緊縮策をEU単位で強要するようになれば縮小の可能性すらあるでしょう。

では欧米以外はどうかと言えば、内情は分かりませんが、中国はやたら金払いが悪くなっています
バラマキ政策の反動や人民元安だけでは説明できないほど元気がありません。
生産調整や通貨防衛の為に金を使っているのならまだマシなのですが、人民元の決済額が円はおろかカナダドルを下回るなんてニュースが流れるほど、去年まで息巻いてた「AIIB」「人民元世界通貨計画」も上手くいっていません。
下手をすれば経済統計を水増しするために、国有企業を通じて不要な輸入や購買活動に金を使わせている可能性すらあり、全く安心出来ない状況です。

では、日本はというと、国内問題の点から見れば最も良好と言えます。仮に安倍首相が森友学園スキャンダルや持病の悪化で辞任したとしても、麻生大臣なりなんなりが代わりにトップになるだけで大した混乱も無いでしょう。
極右大統領が誕生しかねないフランスや、このままだと極右政党が第一党になるオランダ、そもそも大統領すらクビの韓国などなどを考えれば疑問の余地もありません。

ただ、日本一人で世界を支えることはエンジン全開でも無理なため、アメリカなどと太平洋を挟んだ協力が必要なのですが、トランプ大統領の素性がまだ明瞭に把握出来ていないため、アクセルを踏んですらいません。
しかし、このG0時代は、様々なテクノロジーによって陸ではなく海が世界の中心となる、太平洋時代の特徴でもあります。
GDPやテクノロジー、文化などの面から見れば、今や環太平洋の国々に明らかに偏っており、世界の中心は太平洋であると断言することが出来ます。
ただ、中心が海であるため特定の国に集中することが無く、G0状態になってしまうのです。

ともすれば太平洋の西側担当の日本の責任は重大なわけです。
日本がコケれば世界がコケると思って慎重かつ大胆に政策が行われることを期待します。



【執筆:T.I.】