高い株といっても、もちろん割高な株のことではありません。最低購入代金(その銘柄を買うのに必要な金額)が高い株のことです。
株を始めたての方は資金が限られているので、最低購入代金の多寡は非常に重要な要素となってきます。高いものを買えば銘柄数が少なくなりますし、低いものを浅く広く買えばいざという時に高い株が一切買えないという状況にも陥ります。おそらくは大半の初心者の方は、最低購入代金の低い株をいくつか買って分散する、ということをしがちで、多くの初心者向けブログでもそう書いていますが、私は初心者の方には「分散投資」を全くオススメしていないので、最低購入代金の高い株を買って銘柄を減らすべきだと主張します。
まず第一の理由が、初心者の方の特有の理由で、あまり銘柄を増やしすぎると個別の銘柄の動きが理解できないからです。株を十年近くやっている人でも何十という銘柄全てを把握することは不可能です。初心者の方は2~4銘柄(1銘柄だと比較が出来ないため)程度に抑えた方が良いでしょう。
第二の理由は、購入代金の低い銘柄ばかり選ぶと業界が偏ってしまうからです。数万円から買えるような銘柄は上場廃止寸前の企業か、銀行のような業界全体で最低購入代金を低くする傾向のある企業が大半です。
集中投資はすべきですが、業界の偏りはリスクを高めるだけになります。
例えば、りそな銀行【8308】、みずほ銀行【8411】、三菱UFJ銀行【8306】の3つを持っていても、マイナス金利政策のような銀行業全体に悪影響のあるニュースが出ると、どの銘柄も暴落して分散した意味がありません。
第三の理由は、最低購入代金の高い株から買った方が、資金が少ない場合は運用上のメリットがあるからです。ここからは、少し難しい話になるので、お時間のある方だけご覧ください。下の図は資金を100として、最低購入代金100と10の銘柄が2つある場合の話です。
なお2つの銘柄は同程度の銘柄で購入代金だけが違うと仮定しています。
さらにこの2つは同程度の銘柄なので将来的にBも値上がりしてA並みになる可能性が高いです。
それに対して最低購入代金が低い方から買ってしまうと、先程とABの値動きは同じなのに、Bの最低購入代金が高いせいで、Aを売っても買える株数は1株あるいは、0株ということになってしまいます。
このように最低購入代金が高い株から買った方が、運用上のメリットがあるのです。
もちろん、銘柄数を少なくすると値下がりリスクも大きくなりますが、その分リターンも大きく、上記のような運用も可能なのでさほどデメリットにはなりません。
銘柄数を増やすのは"ポートフォリオ"が理解できるようになってからで十分です。
資金が少ない方はまずポートフォリオ自体が組めないので、銘柄数が少ないなりの運用を心掛けましょう。
【執筆:T.I.】
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