概要
アメリカ陸軍において1940年後半から運用開始された90mm高射砲M1は、その優れた装甲貫徹能力から対戦車砲に転用されるまでにそれほど時間はかからなかった。1943年5月には対空・対戦車両用の新型砲架を持つM2が登場し、同時に車載用としたM3も実用化されるに至った。
本砲はM36、M41といった発展改良型を生み出すベースとなり、やがて冷戦初期の西側戦車を代表する標準的戦車砲として、ロイヤル・オードナンスL7 105mm砲の登場まで君臨することとなる。
諸元
性能
備考
M4砲架に搭載した場合、最大仰角30°、最大俯角-10°である。
後座長は最大14im (355.6mm)
戦車砲として搭載した場合、360°の旋回に17秒を要した。
砲弾
90mm砲M3で使用可能な砲弾には主として次のものがあった。
・榴弾 (H.E.) M71
・被帽付徹甲弾 (A.P.C) M82
・徹甲弾(A.P.) M77
これらはいずれも弾体と薬莢、装薬とが一体となった固定砲弾である。
徹甲弾は少量の炸薬が内蔵されており(いわゆる徹甲榴弾である)全て砲弾に曳光剤(トレーサー)が装着されている。
榴弾に装着されているM48、M48A2といった信管は瞬発と遅延の2種類の動作を切替可能である。
その他、高速徹甲弾 (H.V.A.P.) M304、演習弾、空砲、発射不可能な模擬弾などがあった。
垂直の均質圧延装甲に対する貫徹能力は次の通りである。
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