糞尿発電の可能性について

2017/05/06

投資

 


私が投資において注目している技術として「燃料電池」というものがあります。水素と酸素で発電するアレです。
最近はテーマ株として「燃料電池」が出てきているおかげで、投資家の間には常識になりましたが、一般的にはまだ認知度が低いようです。

燃料電池に注目する理由の一つが上の画像です。トヨタ自動車の燃料電池車MIRAIではなく、後ろの"しかおい水素ファーム"です。

ふん尿からの水素を「地産地消」 鹿追にファーム開所 輸送、利用も

もっと言えば、その水素の製造方法が「燃料電池」の大きな利点だと思っています。燃料電池は水素と酸素から発電し、排出されるのは水だけというものですが、その原料となる水素の調達先が問題となります。石油などからならば大量に生産出来ますが、それだと結局のCO2排出量は言うほど削減は出来ません。太陽光発電などから簡単に作ることも出来ますが、それだと燃料電池の特徴である発電効率が活かされ難いです。

しかし、上述のしかおい水素ファームの方式である糞尿発電(勝手に命名)であれば、実質的にCO2を排出することもなく、効率的に燃料電池へ水素を供給することが出来ます。

廃棄物を含めた食品は、放置すると腐敗してメタンなどの可燃性ガスを発生させます。であるので、汚泥処理施設などではこの可燃性ガスを燃やしてCO2などの、安全な物体にしてから外部に排出しています。
この可燃性ガスは水素をかなり含んでいるので、それを分解して水素を作ろうというのが水素ファームの考え方です。最初に火入れさえすれば、あとは発生させた水素で電力を自給することが出来、科学的に分解してから使うため様々なガスが混ざっていても発電出来ます。放っておいても温室効果ガスになってしまうガスなので、水素精製の過程で二酸化炭素が発生しても実質的なCO2排出量は0です。

さらなる究極的な利点としては、「糞尿は人の数ほど出る」ということです。上のしかおい水素ファームは家畜の糞尿でしたが、人間の汚泥処理施設でも同様の検証があり水素ステーションとして既に実績があります。例えば下水道システムなどと共に人口の多い発展途上国に輸出すれば、非常に高いシナジー効果が期待できます。

このようなバイオガス由来の水素製造は今だと三菱化工機(株)【6331】が強いようです。
三菱化工機 バイオガス水素製造技術を国内外に展開

【執筆:T.I.】