作られた危機 "トランプ大統領令" について

2017/07/29

投資

 


ここで政治ブログの真似して支持率うんぬんの話をしてもいいんですが、経済・投資ブログらしく"リスク"の話をしようと思います。


「見えないのがリスク、見えるのはチャンス」

というのは過去の投資家の人が言った言葉で、核心を突いており、特にリスク管理をする上で役立ちます。見えないリスクは最近だと例えば、イギリスのEU離脱後の欧州情勢だったり、トランプ候補当選後の経済政策だったりがそうですね。つまりトランプ大統領が、選挙中の公約に掲げていたことについて大統領令に署名していっている現在は、むしろ「見えないリスク」が見える化していっている最中であり、実際のリスクは減っていっているのです。


現在話題になっている入国規制の大統領令の内容を見ても、「特定国からの入国の90日間禁止」や「シリア難民受け入れの無期限停止」など、簡潔かつ明朗な内容で、「見えないリスク」とは程遠い内容となっています。ではなぜ入国禁止の大統領令が危機と叫ばれるかというと、もう一つのリスクとして「作られた危機(リスク)」があるからです。

「作られた危機」というと捏造のようで聞こえが悪いですが(実際ありますが)、燃やす為の火種(反トランプ運動)と燃やす人(反トランプ)が必ずいるという点が「見えないリスク」との違いです。むしろ一般的にリスクと呼ばれるものは、「作られた危機」の方が多いです。ただし、投資にはあんまり役に立ちません。「作られた危機」の場合は、「見えないリスク」と違って着地点が見えている為です。

例えば、今回の入国禁止の大統領令の判決がどう転ぼうと、特定数国が入国出来るか出来ないかだけで、投資家にはほぼ無関係です。

例えば、(株)東芝の不正会計問題も、不正額が分からないという、「見えないリスク」だからこそ問題なのであって、全容が分かってしまえばただの赤字黒字で終わりです。

特にFXや貴金属においてうっかり「作られた危機」の方に乗っかってしまうと、市場が既に織り込み済みで、反転して大赤字となるので注意が必要です。


【執筆:T.I.】