『テクニカル』はオカルトなのか?

2016/10/15

投資


 


『株は上がったら下がる、下がったら上がる』


……これは真赤な嘘です。(極端な例ですが)
こんなものを信じてたら、勝てる試合にも勝てません。
なぜ間違いなのかと言うと、「時間の概念が無い」からです。

秒単位の株価を予測するのと年単位の株価を予測するのでは全く違ってきます。秒単位で急激に上がった株価は下がるかもしれませんが、年単位で急激に上がった株価はその後も上昇を続けるかせいぜい横這いです。何故ならば年単位で上昇する株価は上がるなりの理由があるからです。下がるという可能性は最も低い未来でしかありません。下がったとしてもそれ相応の下がる理由があるからで、「上がったから下がった」わけではありません。

時間軸を定義しなければ上がる下がるの論理は全く成立しないのです。

最初に書いた一文は真理を突いているようで、結局何も言えていない、いわば"詭弁"なのです。詭弁に惑わされているようでは投資で勝つことなど出来ません。ペテン師に騙されて上場前株詐欺を喰らうようなもので投資すら出来ていないのと同義です。
同じことがテクニカル分析にも言えます。テクニカルでも前提条件をすっ飛ばした詭弁や、オカルト的なものが多々見受けられます。ただし、全てのテクニカル分析がオカルトだったり役に立たなかったりするわけではありません。
足りない前提条件を設定したり、使用状況を限定すれば、テクニカル分析で勝っている先駆者のようになれる可能性はあります。しかし、当然ながら初心者がそれを正確に行うのはほぼ不可能です。テクニカル分析から投資に入るのは無謀としか言えません。

投資に勝つためにまず大事なのは「船」です。

無理の無い資金力、大波でも沈没しない構造、目的地に正確に導く船長、これが「船」の構成要素です。「船」と比較すればテクニカル分析は「釣竿」といったところです。
釣竿さえあれば確かに魚は釣れますが、浜辺で釣るのでは大波が来たら1発で溺死ですし、高い竿や餌を用意しても大して釣果が上がるわけでもありません。何より釣り場に魚がいなくなれば終わりです。

テクニカルはオカルトではありませんが、まず最初はテクニカルはオカルトと見做して捨ててしまうのも良い手段です。否定した方がよりテクニカル分析の本質が見えてくることでしょう。

【執筆:T.I.】