FXとは"Foreign Exchange"の略称で、直訳すると「外貨両替」といったところです。
ただし、「FX」と表記されている場合には殆どの場合「外国為替証拠金取引」を指します。ではその「外国為替証拠金取引」とは何かというと、ざっくばらんに言えば
自国通貨を担保に他国通貨を借りて取引する
ということです。
例えば、10,000円分の日本円を所有していたとすると、当然ながら10,000円と同じ価値のドルとは交換できます。これは”両替”と呼ばれるものです。
しかし、FXの場合は直接交換するのではなく、その10,000円を担保にしてドルを借ります。そうすると、現金は土地や建物などより遥かに換金性が高く、担保としての価値があるものなので、10,000円を預け入れれば10,000円以上のドルを借り入れることが出来ます。
これを「証拠金取引」と呼ぶのです。この場合は現金が「証拠金」ですが、運用会社によっては現金以外にも株式などを証拠金に充当することが出来ます。
これで「外国為替」と「証拠金取引」の部分は理解できたと思いますので、何故このような取引が存在してきたのか解説したいと思います。
現在では投機的な取引の代表例として挙げられるFXですが、当然ながらそれ以外にも利用されています。上で挙げたような、自国通貨を担保にして外国通貨を借り入れる取引は古来より行われてきました。取引先の国に自国の銀行等が進出していれば、わざわざ向こうで使えない自国通貨を相手の国に持っていかなくても、自国で借り入れ契約だけをすれば、向こうで相手国通貨を手に入れて支払い等が行えるためです。
現在でも、輸出企業や輸入企業はこれと似た考えでFXを利用しています。
というよりは、これが本来のFXのメインターゲットなのです。
FXをやっていると聞く「本邦輸出勢の売り」や「本邦輸出勢の買い」という単語がそれを指します。
今回は、「本邦輸出勢の売り」や「本邦輸出勢の買い」は解説しません。
ただ、FXに投機以外の利用法があると理解できれば、FX自体に対する見方も変わるかと思います。FXの実用法は輸出入企業以外にも株式取引にも利用できます。日本の株価はその構造(外国人比率の高さなど)により為替の影響が大きいためです。FXは比較的他の金融資産と組み合わせやすい取引です。
組み合わせ次第では未だに見つかっていない黄金色に輝くパターンがあるかもしれません。
【執筆:T.I.】
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