「個人向け国債」は個人向けではない

2017/04/08

投資

 


勘違いしがちですが、「個人向け国債」というものは、個人しか買えない、あるいは個人に買ってほしいというだけで、金融商品としては全く個人向けではありません。

まず、1年経過するまでは原則として売却(解約)できないのが致命的です。このような拘束期間は定期預金などでもあることですが、法人などに比べて資金が少なめな個人にとっては1年というのは長すぎです。

さらに金利は変動10年タイプでも0.05%が保証されていますが、はっきり言って低すぎです。そりゃ銀行預金よりは高いですが、株の配当や日々の変動などに比べれば糞みたいなもんです。そもそも本当に社会変動のリスクを考慮するならば、円建てではなくドル建て商品を買うべきです。100%円で資産を保有すること自体が極めて高いリスク要因です。

まあみんなそう思ってるからこそアメリカの10年国債を買うわけですが、あっちはさらに利回りが2.3%近くあります。当然ながら為替リスクを相殺できるほどの利回りではありませんが、ドル資産を増やして円建てリスクを相殺したいという目的には合致します。
ここまで来ると銀行などは面倒くさがるかもしれませんが、個人がやるべきなのはこのようなリスク低減です。日本国債はむしろ銀行預金などと同じ債権商品なのでリスク低減にはなりません。

字面に騙されてはいけないということですね。


【執筆:T.I.】