なぜ株価が下がったの?

2017/02/11

 


業績は良いし、悪い噂は聞かないし、業界自体も好調……なのに株価が下がり続けているという経験をしたことはありませんか?おそらくは日本株を始めて半年~1年くらいの投資家さんの悩みの種かと思います。

原因はいくつかありますが、一番多いものにドル円相場、いわゆる円高があります。
「えっ?輸出銘柄持ってないから円高は関係ないよ」
と思う方がいるかもしれませんが、円高はほぼ全ての日本株に大なり小なりの悪影響を与えます。まず前提として日本の株式市場は5割ないし6割が外国人投資家ということがあります。外国人投資家なので当然ながらメインはドル資産ということになります。これが円高が株価に悪影響をもたらす大きな原因となります。



この図は円建て株価(いわゆる通常の株価)が1000で横ばい推移した場合に、円高によってどれだけドル建て株価(ドルに換算した場合の株価)が変化するか示したグラフです。

ご覧のように円建ては横ばいにも関わらず、ドル建ては上昇していることが分かります。
円高というのはそれだけ円の価値が高まり多くのドルと交換できるということなので、このようにドルに換算すると株価が上がっていることになるのです。

問題は、国内投資家にとっては売りも買いも出来ない状況ですが、海外投資家にとっては売り機会ということです。



これに対する日本の投資家の対策としては大きく2つあります。1つ目はナンピン買いです。円高で株価が下がったとしても、それが業績自体に関係ないのだとすれば、むしろ株が安く買える機会と考えてさらに株を買い増す方法です。

2つ目はFXなどを使ったドル円のショートです。
これを読んでいる方にはFXに詳しくない方もいらっしゃるので詳細は省略しますが、ドル円のショートという手法を使えば円高の際に利益が出る上に、その利益を使って先に書いたナンピン買いをすることも可能となります。

筆者のオススメとしては、FX口座が開けるのであれば後者、FXをやらないのであれば前者です。前者でもいいのですが、資金に余裕が無いと厳しいやり方なので、比較的少額で対応できるFXの方が初心者向きです。

株価が下がった時はあれこれと、その銘柄の有る事無い事を想像してしまいがちですが意外とフロア自体が傾いていることがあるので、一歩引いた視点で見ることを心がけましょう。

【執筆:T.I.】