大手メディアがイギリスのEU残留予測を外した本当の理由

2017/02/27

雑記

 


色々と言われていますが、世論調査などを行っていたはずのメディアが、イギリス国民のEU離脱の選択を予測できなかった一番の理由は現状維持の方向性を間違えていた事にあります。

EU離脱の国民投票が決まった当時からずっと、約9割近くのメディアは、「人間は現状維持を好むのでいざとなればEU残留票が増える」と予測していました。しかし、実際には投票が近づくにつれて離脱票の方が漸進的に増えていきました。

その理由は単純明快で、殆どのイギリス(イングランド)国民にとっては、EUから離脱しイギリスをイギリスのまま残すことが現状維持だったからです。欧州統合が進めばイギリスという国は消滅するわけですから、それを回避するにはEUから抜けるしか無かったということです。

このようなイギリス人にとっては当たり前のことをメディアが理解できなかったのは、最近よく言われるようになった”グローバリゼーションの弊害”の一例と言えます。
グローバル化が進み、イギリス土着のメディアの声が弱まった結果、イギリス人なら分かることも分からなくなってしまったわけですね。
FT(フィナンシャル・タイムズ)を日経経済新聞が買収した件なんかはその典型例です。

トランプ大統領就任を予測出来なかったのは、メディアの希望的観測のせいなので別です。
次に外すとマズい選挙はフランスの大統領戦ですが、これについてはまた別の問題があるので、また機会があれば解説したいと思います。


【執筆:T.I.】