日本人が日本株で儲けられない理由

2017/02/25

投資

 


日本人の株式投資は一般的に、1年目で8割が辞め、次の年でその半分が、三年目が終わる頃にはさらに半分が抜けると言われています。
そのくらい儲からないわけですが、その原因はいったい何でしょうか?色々と言われてはいますが、日本の株式市場の難易度の高さが大きな要因です。



これはアメリカの代表的な株式指標、ダウ平均株価のチャートです。見て分かるように、分かりやすい右肩上がりのトレンドを描いています。5年で1.5倍強ですから、単利計算で毎年10%ずつ増えていることになります。
つまり、ダウ平均の銘柄を幅広く持っていれば何もしなくても毎年10%ずつ増えるという、非常に楽な市場となっています。しかし、このアメリカ市場の場合でさえ、成功するトレーダーは一握りです。多くの参加者は数年で去っていくことに関しては日本と代わりありません。
それではどこが違うのか日本の株式市場の場合を見てみましょう。





これは成長率だの少子高齢化がどうのこうのではなく、あるはっきりした別の要因によるものです。

それは円高/円安によるものです。

ただし、円安で輸出企業の業績が~といったようなスケールの小さい話ではありません。ドルという世界通貨に対する日本円と日本株式の立ち位置による問題となります。日本の株式市場は半分以上が外国人投資家によって動かされているため、ドルへの交換レートは株価よりも重要です。

100円-1ドルだった時に両替した場合、110円-1ドルになってしまうとそれだけで外国投資家にとっては株価は関係なく約10%弱の損失となります。
逆に110円-1ドルの時に両替して、100円-1ドルになった時は、両替した円で買った株が多少下がっていようが、為替だけで10%近く含み益が出るわけですので、非常に売りやすくなります。先程の日経平均株価のチャートでは、株価に対して円安がさほど進んでいないため株を売ってドルに変えようとする外国人投資家が増えて株価が抑えられているわけです。

日本の株式市場はこのように、株価だけではなく為替の交換レートも考慮する必要があり、さらに為替を見るにはアメリカの金利も把握しなければならないなど、非常に難易度が高いものとなっています。
しかし、難易度が高いだけであって、決して儲けられない市場ではありませんので、
諦めずに少しずつ技術を身に着けていくことが利益を出す為の近道です。

【執筆:T.I.】